Oisix ra daichi Creator's Blog(オイシックス・ラ・大地クリエイターズブログ)

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Microsoft Ignite 2019 のセッションレポート

SREの林(@morihaya55)です。今日もMS Igniteの参加報告です。*1

印象に残ったセッションを気持ちが熱いうちに紹介します。

Mark Russinovich氏の OAM と dapr についてのデモを交えた紹介

11/5 Tueで最も印象に残ったのはこちらのセッションです。

Mark Russinovich Presents the Future of Cloud Native Applications with OAM and dapr(動画を視聴できますので詳細はこちら!)

Azure CTO の Mark Russinovich 氏による75分のボリューミーなセッションでした。 タイトルに Mark Russinovich Presents と人の名前を冠する数少ないセッションでもあります。*2 Mark氏は容姿端麗でマッスルですし、プレゼンも堂々たる様で一つのショーを観ているかのようなセッションでした。

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Azure CTO Mark Russinovich氏

会場はカンファレンスセンターの中でも劇場型のホールで、ふかふかの座席と強烈なエアコンが印象的でした。 空気感はとても良かったです。

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ホールの風景、数あるセッションの中でも特別感がある会場です

OAM(Open Application Model)について

Open Application Model 通称 OAM *3は、Cloud Native なアプリケーションを開発するための標準モデルとして作られており、Github上に公開されています。

マイクロサービス大変だよね、Kubernetesは素晴らしいけど難しいよね、開発者は開発に専念したいよね、そこで!という文脈からOAMが紹介されていました。 デモでは各クラウドのマネージドなKubernetes(AKS,EKS,GKEなど)や、オンプレミスのKuberenetes*4に対し、ほぼ同じ記述のマニフェストファイルでアプリケーションをデプロイされていました。デモ用のWebアプリが派手でインパクトがありました。 Kubernetes上でOAMを実現するためにrudrという拡張機能(?)が活用されており、アプリケーションとKubernetesの各コンポーネントの間をとり持つそうです。

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OAM(Open Application Model)紹介のデモ

drpaについて

drpa*5は、イベントドリブンなランタイムで、マイクロサービスのための開発に役立つとのことです。

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drpaの基本構成

drpaはメジャーなプログラミング言語に一通り対応しています。なおMark氏はRust推しなのか、「Rustを書いてる方はいる?いいよあれ」的な呼びかけもされてました。

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drpaは多様なプログラミング言語に対応しています

サイドカーのアーキテクチャを利用していて、アプリケーションのpodを立ち上げるとインジェクターと呼ばれるdrpaのコンポーネントがサイドカーを注入し、各ポッド内でアプリケーションとサイドカーはHTTPかgrpcでやりとりします。

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drpaのサイドカーを注入する図

トレーシングやモニタリングも可能となっています。Istioの競合的な位置付けなのかなという感想です。

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トレーシングも一通り対応してそう

デモでは電卓のマイクロサービスのアプリケーションをdrpaで動かしていて、足し算、掛け算、割り算がそれぞれマイクロサービスに分割されており、それぞれが異なる言語で実装してあって会場の笑いを取っていました。「drpaの多様性を見せるために別言語で実装しているけど、本番ではやらないほうがいいよ」といった文脈でした。写真を貼りますが以下の多言語なマイクロサービスです。

  • add.go(足し算をGolang)
  • divide.js(割り算をJavaScript)
  • multiply.py(掛け算をPython)

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デモ、四則演算の各機能が別言語で実装されてるマイクロサービス

他にも、荷物運びのロボットのデモがありました。 舞台上にクマのぬいぐるみが意味ありげに配置してあり、当初は気になりつつセッションの面白さに存在を忘れた頃に、荷物運びロボットの障害物としてクマの役割が果たされたのは、一つの完成されたショーだったですね。

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デモ、ぬいぐるみを障害物として認識して停止する運搬ロボット

コマンドラインについてのTips紹介

Brian Benz氏のAzure and the command line – options, tips and tricksというセッションは、20分とコンパクトでしたが面白いものでした。

  • エクスプローラーのパスが表示されているバーで、 cmd と打つとそこをカレントディレクトリにした状態でコマンドプロンプトが起動する
    • powershell でも同じように起動する
  • code って打つとそこをカレントにVSC(Visual Studio Code)が起動する
  • WIndows Terminalのコンフィグレーションをいじってタブごとにcmdだったりpowershellだったりwslのbashだったりを起動できる
  • VSCカスタマイズ便利だし楽しいぜ、具体的には起動するターミナルもbashやpowershellやデフォルトを選択できるよ
  • Azure Cloud shellからVSC Online使えちゃうぜ

などなどすぐに役立つ*6役立つ技を楽しげに紹介されていました。

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デモ、Windows Terminalでタブ毎にcmdやpowershellやbashを使い分ける

何よりもその楽しそうな、というところがポイントだと感じていて、 RUN CMD とでかでかと書かれたTシャツを着て、楽しそうに話す様はとてもステキなものだと感じました。

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Brian Beanz氏、RUN CMDのTシャツがイカす

まとめ

以上、火曜日の感想でした。 セッションをいくつも観て、各ブースの紹介を観て、刺激の多い1日になりましたが、昨日(月曜)もそうですし、金曜日までこれが続くというのは何と幸せなことなのだろうという感想です。 明日からもやっていきです。

*1:せめて三日坊主くらいは達成しようかと

*2:Mark氏の人気ぶりがうかがえますね

*3:Mark氏は オーム と発音されてました

*4:デモではラズパイクラスタでした

*5:Mark氏は ダーパ と発音されてました

*6:かもしれない

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